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海の上のプールサイド POOLSIDE ON THE SEA

  • ニューアルバム「POOLSIDE ON THE SEA」試聴/配信開始のお知らせ。 および、ワンマンライブまであと1日

    2014,12,06

    佐藤です。
    日付変わって、本日は12月6日。
    レコ発+ワンマン+フリーライブまであと一日となりました。
    音源試聴および配信サイトbandcampにて、
    12月7日に発売するニューアルバム「POOLSIDE ON THE SEA」を
    一日早く全曲公開および配信での販売を開始しました。
    1曲200円、アルバム単位では2000円となります。

    bandcampへのリンク↓

    https://umipoo.bandcamp.com/album/poolside-on-the-sea


    全曲珠玉の出来。および全曲ジャンルの異なる曲ばかり。
    それでも統一感のある、まさに「アルバム」といった作品となりました。
    今回は制作の裏話、苦労話、モチーフとなったもの、歌詞のことなど
    アルバムに関するコメントを書きましたので、是非ご一読下さい。


    1.森
    この曲は、元々は佐藤と中村くんが別で組んでいるユニット「火重-koe-」で
    作られた曲で、原曲は声とドラムのみで構成されたシンプルなものです。
    そこに2本のキラキラとした、しかし時に凶暴なギターと、
    雨上がりの濡れた山道を走るような、ボトムのしっかりとしたベースが
    加わって、何ともいえない浮遊感と孤独感、そして奈落に突き落とさんばかりの
    急激なラストの曲展開が異様に気持ちよく、この曲以外に1曲目を飾る曲は
    ないと断言できるほど、今作のアルバムの核心に満ちた曲です。
    soundcloudでも先行して配信してますが、その後さらに歌い直したりと、
    ヴォーカル録りに一番苦労した曲でもあります。
    この曲を一言で表すと「孤独」という言葉に尽きる。
    森の中の精神病棟から逃げ出した男の話というのをコンセプトに、
    獣扱いされた男が森を抜けて人間として生きていくことができるのか。
    それはこの曲を聴いてくれた人それぞれの解釈に委ねます。

    2.エニグマ
    これは今年8月に出した前作「ながれる」にも収録されていますが、
    再ミックスおよび歌を録り直しています。
    サビとおなじオクターブで歌っていたAメロを下げ、
    中間語り口調だった部分を、裏拍を意識して歌っています。
    「ながれる」収録のものよりももっと禍々しい感じがします。
    これはマーク・チャップマンの話と前作のときに書きましたが、
    改めて考えると、これは明確な意志を持たないまま人を殺してしまう
    現代型の犯罪者に多い傾向を表しているような気がしました。
    江戸時代の妖怪話で「縊鬼(くびれおに)」というのがあり、
    その鬼に取り憑かれると、自分の意志とは関係なく突然首を吊って
    死ななければならないという脅迫観念に襲われる、という話があるのですが、
    現代のこういった事件も、自分の意志とは関係なく何かに操られているような
    そんな思いがしてなりません。
    曲はかなりハードなもので、前作で中村くんが言っていたように、
    練習とかで「あと5分でスタジオ退出」というときに、この曲を最高速度で
    演奏してヒイヒイ言いながら楽器を片付けるというのが、ひとつの恒例と
    なっています。

    3.行方不明の国
    バンドメンバー皆でジャムって作った最初の曲です。
    5拍子の曲を作ろう、というのをコンセプトにいろいろ試した結果、
    今作のバージョンに落ち着きました。
    歌メロを考えるのに苦労した覚えがあります。
    それまでは、僕がギターをその場で弾いて歌って、それに
    アレンジをしていくといった作曲の流れがあったのですが、
    それを断ち切ることで、自分のなかにはないメロディを探さなくては
    ならなくなり、歌詞の言語感、リズム感を調整するのに時間が掛かりましたが、馴染んでくるにつれ、歌もちょっとずつ形を成していきました。
    歌詞の内容は、震災後のとある港町と、その当時の暗澹たる世情を
    自分なりに表現してみた感じです。
    私事ですが、僕の故郷は宮城県であり、震災一ヶ月後の地元の町を
    弟と車でまわりながら、いろいろ考え、かつ実際に見て感じたことを
    まとめて、原発の処遇にゆれて右往左往する実情を
    「我を見失い行方不明になった国」として表現してみたかったというのが
    大枠のテーマとなっています。

    4.氷河期の終わりに
    アルバムの曲の中ではわりと最初のほうにできた曲です。
    前々作「シネマ」のときにはあった曲なので、4年くらい前に
    作った曲ですね。
    この曲のアレンジはいろいろと試行錯誤しました。
    一時期はドラムンベースを軸にしたアレンジでライブをしていた
    時もありますが、それから少し寝かせて、今回のアルバム制作時に
    掘り起こして、今のファンクっぽいアレンジに落ち着きました。
    この曲には各自のソロパートがあります。
    歌詞的には、はじめてカットアップを試みた曲でもあるんですが、
    やっぱり変だなということでやめました。
    何らかの理由で冷凍保存されていた男女が、数百年後の未来に
    偶然目覚めたらこの世が終わっていたよイェーイ、というような歌詞です。

    5.メリーゴーラウンド
    レゲエとかダブとかにハマっていたときに作った曲ですが、
    もともとは弾き語りで歌うような、単純なバラードっぽい曲でした。
    でもこの際レゲエにしてしまえ、ということであっという間に
    アレンジを整えた記憶があります。
    歌詞は男が少女をさらって旅をする、という話。
    そして後付けながら、偶然さらった少女が、昔つき合っていた彼女との
    子供であったりして、いろんな思いがこぼれてきてどぎまぎする
    中年男性の歌です。
    ときたま普通の小学生とかが、ぎょっとするような言葉で核心を突く
    ことがありますが、若さに憧れるというか、無垢さにおののくというか、
    子供のころの感受性を失ってしまったことに嘆いてしまうような
    寂しさも、この頃は感じるようになりましたね。僕も。
    だから僕は子供と面と向かって話せません。
    目が奇麗すぎて怖いのです。

    6.鉄の庭
    僕含め、メンバーみんなそれぞれ、家でパソコンを使って録音できる環境を
    持っているということもあり、中村くんがリレー形式でファイルのやりとりで

    作曲してみようと言ったのがきっかけで、他の曲とは違う雰囲気を持っています。
    中村くん→岡村くん→加藤くん→佐藤→拓くんそしてまた加藤くんの
    順番で作曲とレコーディングを同時に行いました。
    しかもレコーディングに使う楽器は、それぞれの演奏パートに固執することなく
    何を録ってもいいというルール。
    だから僕はあえて歌わずになにか変な音を入れてやろうと考えていたのですが、
    僕のところに順番が来た時点で結構音が入っていてメロディがつけやすかったので、
    その場で仮歌を歌って歌詞を書きながら本歌を歌いました。
    本アルバムのなかでは一番個性的な曲です。
    音のイメージからか、歌詞も知らず知らず冷たい触感になりました。
    この曲に取りかかっていたとき、ちょうどジョージ・オーウェルの「1984年」を
    読んでいたせいで、鬱屈した近未来的世界観になっています。

    7.処女
    この曲も早い段階で作られた曲です。「氷河期の終わりに」と同じくらいの
    時期にはできていた記憶があります。
    この曲もアレンジをいろいろ試した結果、弾き語りをベースにしたほうがいい
    だろうとのことで、本曲のレコーディング自体は、アルバム制作の
    ほとんど最後に行われました。
    最初に入っているカウントの声は拓くんの声です。
    この曲はベーシックなところは歌も含めてクリックやガイドを聞かずに
    一斉に録りました。
    歌詞の内容は暗いけど、真っ昼間に野原でビールを飲みながら歌いたい
    曲ですね。
    歌詞に関しては、ミレイという画家が描いた「オフィーリア」から
    着想を得ました。
    「処女を(ライブで)やろう」、「処女はこないだ(ライブで)やったからいいや」
    とかいう会話をスタジオや楽屋で話していると、まわりの人から変な
    目で見られることもしばしばです。

    8.あやかしのせかい
    これはお風呂に入っていたときに鼻歌で偶然できた曲です。
    コードを見つけてメモって寝ておきたら半分忘れていて焦った
    ような思い出があります。
    コードも単純、途中まで歌も単純なものですが、
    ライブでは途中からインプロになります。
    通常セクションに戻るのが僕的には大変ですが、演奏していて楽しい曲です。
    僕は子供のころから妖怪とかお化けとかが好きで、
    半分水木しげる先生に育てられたといっても過言ではないので、
    その影響からか、あの世って楽しそうだなというイメージから
    想像を膨らませて歌詞を書きました。
    キャンプファイヤーとかでゆらゆら踊りながら歌いたい曲ですね。

    9.砂の惑星
    本アルバムのなかでは一番古い曲です。
    海の上のプールサイドというバンドを結成する前からすでにあった曲です。
    自分でデモを作ったときは、打ち込みを主体としたスペーシーなアレンジ
    でしたが、それを大幅に変え、手数が異常に多い早い曲になりました。
    そもそもバンドをトリプルギターにした理由は、この曲が3本のギターで
    鳴っているからです。
    アレンジ次第では一人でも賄える曲ですが、レコーディングのときには
    大抵ギターをサイドにダブルで入れて、真ん中にソロとかアルペジオとか
    重ねるバンドが大半いるなかで、ライブでは一本なのに録音物は三本鳴っているのは
    釈然としないなと考えたのがきっかけです。

    10.写真家
    タイトルとおり、一人の女性を撮り続ける写真家の話です。
    それが恋人なのか妻なのかあるいはただの憧れかストーカーかは、
    人それぞれの解釈に任せます。
    この曲は歌詞は相当前に大枠ができていたのですが、
    曲がハマらず、寝かせておいていた曲で、
    たまたまギターを変な抑え方をして弾いていたときに
    メロディが浮かんで、曲にあうストックした歌詞を探したところ
    この歌詞が当てはまったという、漬け物みたいな曲でもあります。
    石川県の珍名産で「ふぐの卵巣粕漬け」ってのがあって、
    通常ふぐの卵巣にはテトロドトキシンっていうものすごい毒があって
    食ったら即死ぬのですが、これをある製法にて粕漬けにして
    特定の期間寝かせると、毒がぬけて食べられるようになる。
    その毒がぬける理由は未だに解明されていないというのがあって、
    まあ、曲も寝かせればある程度の毒が抜けてハマりやすくなる
    ものなのかと。そんなこんなで寝かせすぎてどこにいったか忘れた
    曲も相当数ありますね。

    以上、アルバム「POOLSIDE ON THE SEA」の私的コラムでした。
    いよいよ明日はワンマンです。
    気を引き締めてバンドメンバー一同ライブをしますので、
    是非観にきて下さいね。

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